私事ですが、少し前に会社員からフリーランスのWEBライターになりました。
ここ数年考えていたことではあったんですが、だからといってろくな準備をすることもなく。最低限の準備をするだけで、気づいたら退職日になっていました。
よく言われている、「半年もしくは一年分の生活防衛費を用意しておけ!」とか「まずは副業を始めて軌道に乗ってから」とか、守れてません。
でもまあ、そこから数カ月たつわけですが、何となく生きていけているので現状をまとめてみようと思います。
最初に当たり前のような結論をお伝えすると、「見切り発車でもどうにかなるっちゃなるけど、準備はしといたほうがいい」です。
「フリーのWEBライターって実際暮らしていけるのか?」「会社員から急にフリーのWEBライターになることってできるのかな」など、WEBライターに興味はあるものの何も動いていない方や、「どうにかなるだろう!」と見切り発車で会社を辞めてしまいそうな方はぜひご覧ください。
会社員でWEBライターを10年ほどやっていました
最初に軽く私自身のこれまでをお伝えすると、これまで10年間ほど会社員としてWEBライティング業務に携わっていました。
10年のうちの大半は、ライター・編集者としてチームの管理をしており、チームメンバーにはフリーランスの業務委託ライターさんたちも多々いました。
そのため、なんとなくですがフリーランスのWEBライター業界(の、そのまた一部の業界のみですが)のことは把握できていたように思います。
フリーランスになることを考え始めてからやったこと
そんな私がフリーランスになることを考え始めたのは、実際に会社員を辞める年の3年ほど前です。
3年もあれば準備をするための時間がある程度十分にあるように思えますが、踏み切れない部分もあったからでしょうか。ただめんどくさかっただけでしょうか。
突如思い立っては何かをしてみるものの、基本はそれまでの日常とほぼ変わりなく3年を過ごしました。
以下が、その3年間の間にやったことです。
開業届など手続き関連
私がフリーランスになろうと思ってまずやったのが、開業届を出すことでした。
会社を辞める計画は全く立っていなかったものの、「とりあえず」という気持ちで、その年の開運日に提出しました。
ちなみに開業届は、届け出を出すことで確定申告で青色申告ができたり、屋号付きの銀行口座やクレジットカードが作れたり、小規模企業共済に加入できたりします。
でも結局は、それからしばらくは個人事業主としての仕事はしていなかったので、そんなに早く出す必要はなかったといえばなかった…のですが、ぎりぎりになってバタバタするよりは早めに出しておいてよかったですね。
ただ、開業届を先に出していると雇用保険の失業給付を受けられなくなるので、そこは注意が必要です!
簿記3級とFP3級を取得
基本的なお金の知識は身に着けておきたいなと思ったので、日商簿記3級と3級ファイナンシャル・プランニング技能士をとりました。
お金関連は、知っている人ほど得をする部分が大きいので、基礎的なことだけでも勉強しておいてよかったなと思っています。
フリーランスになりたいこと、なることを周りに伝える
会社員を辞めることの踏ん切りがつかない段階では、まわりのいろんな人に「フリーランスになりたいと思っている」ことを聞いてもらっていました。
「いいじゃん、いいじゃん!」と全肯定してくれる人もいれば、「もう少し考えたほうがいいと思う」と本気になって心配してくれる人もいて、さらに「じゃあ、こういう準備をしたほうがいいと思う!」と具体的なアドバイスをしてくれる人もいて、すべてがありがたかったです。
そして、実際に退職日が決まってからは、周囲の人に加えて、今後も仕事でつながれる関係がある人に「フリーランスになること」を積極的に伝えるようにしました。
もちろん、「仕事ほしいです!よろしく!」と伝えるのも欠かさず。
ここでめんどくささやプライドとかで連絡を怠っていたら、今受けている仕事の半分はなかった気がするので、事前にみんなに伝えておいてよかったなぁと思っています。
ポートフォリオの作成
これまでの経験やスキルを伝えるためにポートフォリオは必須!
ということで、とてもとてもめんどくさかったんですが、ポートフォリオを作成しました。
canvaのテンプレートを使って作ったら、思ったよりめんどくさくなかったです。
「ポートフォリオにまとめるほど実績がない!」と最初は思ったんですが、正社員時代の小さな案件などもウソにならない程度にいい感じにまとめていったら、ある程度のボリュームにはなりました。
メールアドレスの取得など、連絡ツールの整備
プライベート用のメールアドレスとは別に、仕事用のメールアドレスをgmailで作りました。
そのほか、slackやchatworkなど、使用する必要があるチャットツールもアカウントを作成。
ローンを組む必要があるものは会社員のうちに
信用の問題で、フリーランスなり立ての場合は各種ローンを組めなくなる可能性が高いです。
住宅ローンやマイカーローン、そしてクレジットカードの審査や賃貸住宅の審査も通りにくくなるといわれています。
私の場合は、「とりあえず安定的に収入があるうちに」ということで、全身脱毛は会社員のうちに契約しておきました。(そこかい)
ノートパソコンを新調
会社を辞める少し前に、ノートパソコンを買い替えました。
スムーズに作業ができるよう、割と新しめのメモリ16ギガ、office搭載のモデルです。
パソコンのことはよくわからないですが、けっこういろんなページ、アプリを開きながら作業をすることが多いので、これくらいにしました。
「WEBライターなら8ギガあれば十分」という意見もよく見ますが、個人的には8ギガだと足りない感覚…。
副業
もう会社を辞めることが決まってからなのですが、副業を始めました。
本来なら、辞めることが決まる前に始めて、感触をつかんでおいたり、得た収入を貯金に回しておいたりすべきですよね…。
それは確かに、今フリーランスになることを考えている人がいるのであれば、そうしたほうがいいと思います!
私は副業を始めるのは遅かったですが、とりあえず会社員と並行している間に副業で得た収入でパソコンを買ったり、旅行行ったりすることができたので、まあ後悔はないかなという感じです。
ちなみにこの副業は、以前の同僚の方からの紹介で始めました。
フリーランスになってからやったこと
そして、会社を辞めてからしたことがこちらです。
年金や保険など手続き関連
会社員ではなくなったので、国民年金と国民健康保険への加入手続きをしました。
手続きの期限は退職日の翌日から14日間、持ち物は基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号を明らかにすることができる書類、手続きを行うのは住所地の市区役所または町村役場です。
小規模企業共済への加入
小規模企業共済は、個人事業主などのために用意されている積立制度です。掛け金は1,000~70,000円のあいだで500円単位で設定できます。
加入のメリットは、掛け金が課税対象所得から控除できるということ。積み立てをしながら節税が狙えます。
納付方法は現金納付もしくは口座振替となり、毎月払い、半年払い、年払いと選べるのですが、口座振替で毎月払いの場合は加入の翌々月もしくはその次の月に、3か月分もしくは4か月分が一度に振替となります。
現在請け負っている仕事の単価や工数について
現在私が請け負っている仕事は3つです。
一つは、単価低め・文字数少なめ・自由度かなり高めの案件。一カ月の工数は25時間ほどで、8万円ほどの収入です。
二つ目は、単価高め・文字数普通・自由度普通の案件。一カ月の工数は50時間~60時間ほどで、23万円~34万円くらい。
三つめは、単価普通、文字数少な目、自由度低めの案件。一カ月の工数は20~30時間ほどで、6万円~10万円ほどです。
ちなみに「自由度」は、納期の長さやトンマナやレギュレーションの易しさ、専門性の程度などで個人的に判定しています。
それぞれの依頼件数はまちまちなので月による収入の増減はありますが、稼働時間が100時間ほどなので、ほかの仕事を探したり、プライベートの時間に費やしたりすることが余裕をもってできています。
安定的に働くために、今取り組んでいること
ただ、「余裕をもって」とはいっても、今後依頼件数が減りそうな予感や依頼がゼロになる予感もあるんですよね…。
なので、できるだけ安定的に収入を得ることができるよう、勉強を始めています。
専門分野の勉強
まずは、ライティングの文字単価を上げ、さらに仕事の幅を広げるために行っているのが専門分野の勉強です。
専門的な知識がないと書けない文章は、分野にもよりますがニーズが高く、文字単価が高い傾向にあります。
専門知識があることを証明するために、資格の取得も考えています。
AIチャットツールなどの活用方法の勉強
AIチャットツールは、工数の削減のために活用するようにしました。
ただ、私が請け負っている案件はある程度の専門知識が必要で、間違った情報があると大きな問題になります。
なので、AIを使うと、逆に真偽チェックに時間がかかるということも…。
そこをうまく進められるよう、質問方法などを工夫したりしてみています。
やらなかったことと、今のところやっていないこと
次に、「フリーランスになるための準備」としていろいろなサイトに「やるべき」と書いてはあるものの、現状はやっていないこと(やれなかったこと)です。
仕事用の口座とクレジットカードの作成
「確定申告を楽にするために専用の口座とクレジットカードを作っておけ」と、いろいろなサイトに書いてあるし、フリーランスの先輩にも言われたけれど、現状はつくってません。
確定申告に確かな自信があるわけではなく、「家賃や光熱費など、プライベートと按分で計上する項目が複数あること」と「クレジットカードが増えると収入が増えるから(性格的に)」という理由です。
あとはまあ、仕事のためだけの出費がほとんどない、というのもあります。
これは、WEBライターの特徴ですね。
ただ、この口座やクレカを分けていないことが確定申告時にどう響くかは、来年になってみないとわからない…
一応クラウド会計はつけているので、「思ったより大変じゃなかった!」と思えるといいな。
十分な貯金の確保
本当は1年分の生活費を貯金として用意しておきたかったんですが、間に合いませんでした。
さらにいえば、元々足りてなかったのに、会社員時代の給料日と現在の各委託元の振り込み日の違いや、各種税金の高さで一時的にですがちょっと減りました。
おかしいなぁ。
名刺と印鑑の作成
今のところ、名刺と印鑑はつくっていません。
請求書に使用する、電子印鑑は無料のサイトで作りました。
名刺は、もしかしたら近々使う必要のある仕事を請け負う可能性があるので、それが決まったら作ろうと思います。
仕事用SNSの開設
SNSもいろんなサイトでおすすめされているけど、仕事用ではやっていないです。
今後もしかしたらやるかも。
ただ、アカウントが多いのって煩わしいんですよね。
インボイス登録
さまざまな議論が沸き起こっているインボイス制度。購入者(買い手側)の仕入れ税額を控除するための制度です。
売り手側は消費税の申告・納付義務が出てきますが、取引の拡大や継続がしやすくなる(登録していないとむずかしくなる)という特徴があります。
このインボイス登録も、今のところしていません。
ただ、今後はやはり登録しないと仕事の拡大が難しくなるのかなぁという印象…。
登録する場合、e-taxであれば3週間、紙であれば2カ月かかるということなので、様子を確認しながら必要そうであれば早めに動きたいと思っています。
オンラインコミュニティなどへの参加
WEBライターや個人事業主のコミュニティには参加していません。
でも最近、私にとっての理想的な生活をしているWEBライターさんに、話を聞いてみたいなぁという思いは生まれています。
これまでの交友関係にもフリーランスでWEBライターをしている人はいるけれど、一部の人にしか詳しく話を聞いてこなかったので、もっといろいろ話を聞いてみようかなと考えています。
フリーランスのWEBライターになって、わかったこと
そして、まだフリーランスになって間もないですが、現状で感じていることです。
意外と、時間にも追われず楽しく暮らせている
「現在請け負っている仕事の単価や工数について」の項目でもざっくりまとめましたが、一カ月に働いている時間が100時間程度なので、会社員時代よりも時間に余裕があります。
働いている合計時間だけでなく、「いつ働くか」に関しても基本的には自由に決められるので、すいている平日を選んで美容院に行ったり、平日午前中のすいている時間を狙ってchocoZAPに足しげく通ったり、割引のある曜日に映画を見に行ったりと、楽しく暮らせています。
混んでいる土日を避けることも、友人に合わせて土日に休むこともできるのは、自由なフリーランスの特権だなぁ。
一人暮らしなら、生存報告をする相手はほしい
フリーランスで自宅で仕事をしていると、倒れても誰にも気づいてもらえない!という怖さがあります。
会社員時代も家でリモートワークをしていましたが、毎日チャットで出退勤の報告をしていました。
でも、フリーランスにはそんな相手がいないんですよね。
というわけで、地元に住む家族にはこれまでよりも少し頻度高めで連絡をするようにしています。
あと、頻繁に連絡をとる友達には「連絡がなかったらちょっとだけ心配してほしい」ということを伝えています(ちょっとだけ心配するだけじゃ、倒れたままだけども)
それもあって、chocoZAPには週4、5回くらい通って健康維持に励んでいます。
友達から電話が来ると、めちゃくちゃ長電話になる
人としゃべる時間が減ったからですかね…?友達から電話が来ると、思った以上に長電話になります。
もちろん相手も長電話がOKな状況・雰囲気かどうかは確認しますが。
スケジュール管理が大切
比較的納期がゆるい仕事ばかりしていることもあり、気分が乗らない日や体調不良の時などは、仕事の予定がどんどん後ろ倒しになっていきます。
でも、それが続くと気持ちが焦る!
ということで、納期はゆるいですが仕事は可能な限り前倒しで進めるようにしています。
googleカレンダーを使って、「この時間はこの仕事、そのあとにこの仕事を〇時までにやる」というのが視覚的にわかるようにしています。
専門性は、武器になる
WEBライターの仕事って、本当に文字単価が低いですよね。
特にクラウドソーシング系の仕事は、時給換算したら最低賃金を下回るようなものばかり。
そして、ちょっと単価が高い案件は人気爆発。優秀なライターさんが仕事を獲得してしまうので、他との差別化が図れない状態では契約に至らない…。
文章自体は誰でも、AIでも書けるものなので、やはり何か光るものを見せつけないといけないのだと思います。
だからこそ、特定の分野に関して専門性があるというのは強みになりますね。
最近も知り合いから「○○に詳しい?ライターを探している業者がいるんだけど」という話があり、「やっぱり今後も仕事を獲得していくためには専門性が必須だな」と改めて思いました。
専門性は、「難しい分野」だけでなく「ニッチな分野」でもいいと思いますが(需要は少なくなるかもしれないけれど)、どのような分野だとしても「この分野は任せて」といえることがあると、ニーズのあるライターになっていけるのではないかなと思います。
税金が、とにかく高い
国民年金、国民健康保険、住民税…全部高いですね!!
ある程度事前にシミュレーションはしていましたが、高い!
会社員時代は天引きされていたので自覚が薄かったとも言えますが、毎月の収入から一つひとつ払っていくと、その金額が大きくのしかかります。
来年のために、ちゃんと経費になるものは経費計上していこう…
仕事を紹介してくれる人が周りに複数人いるととても助かる
これが一番実感していることなんですが、WEBライターとしてフリーランスで余裕のある生活をしていくためには、人からの紹介による仕事の獲得が欠かせないですね!
しかも、そういうふうに紹介してくれる人が複数いると、かなり心強いです。
なんてったって、求人サイトやクラウドソーシングとは単価が違います。
私が、十分な準備もせずに見切り発車でWEBライターになれたのは、この紹介してくれる人たちのおかげだとはっきり言えます。
そして、紹介だとお互いにある程度の信頼感のうえで仕事を続けることができます。
「急に連絡が取れなくなる」「急に仕事がなくなる」なんてことが基本的にないので、ある程度安心感を持って働くことができます。
(でも、なくなった場合も考えて仕事探したりはしてます)
今後は、話をいただいたときに「できます!」と自信をもって答えられるように専門性を高めていくとともに、少しづつ紹介してくれる人を増やすための活動や、SNSなどでのライターとしてのアピール?などをしていこうと思っています。
あと、周りのライターさんたちに私から仕事を紹介できるようにもなりたいですね。
まとめ:余裕のある生活をするためには、人脈作りと専門性が重要
というわけで、見切り発車でフリーランスのWEBライターになった私のやったことやわかったことをまとめてみました。
とにもかくにも、余裕のある生活をするためにはまずは人脈、そして次に専門性が大事だと思います。
ただ、人脈も専門性も、それを得るためにはまずはベースとなる実績が大切。
WEBライターになることを考えている方は、クラウドワークスなので地道に実績を作りながら、人脈や専門性を築き、高めていっていただければと思います。
お仕事依頼はお問い合わせよりお願いいたします!