「ライターと編集者って実際どう違うんだろう?」「編集者になるには、どんなスキルが必要なんだろう?」
今回は、そんな疑問を抱えている方に向けた記事です!
「ライターとしてスキルを伸ばした後は、編集者(ディレクター)としてさらにスキル・収入アップをしたい!」と考えている人はぜひ読んでみてください。
編集者(ディレクター)の役割
前提として、編集者の役割には企業・案件ごとの違いがあります。
一般的には
- 記事構成の立案
- ライターへの発注・納期管理
- ライターが書いた文章の検品
- クライアントへの納品/公開作業
- ライターの採用・教育
などが、編集者の主な業務です。
「たくさんのライターをまとめて、記事の品質を担保する立場」と考えてもらうとわかりやすいのではないかと思います。
編集者のつらいところとは?
では具体的にどのようなことが、ライターと違うところなのでしょうか?
すべての案件の品質に責任を持つ必要がある
これが編集者の役割なので当然っちゃ当然なのですが、すべての案件の品質を一定レベルで担保するというのは本当に責任重大です。
私の場合は、1件4,000文字~5,000文字くらい、毎月50~100件くらいの記事に一通り目を通しています。
手に負えないクレーム案件もどうにか対応する必要がある
日々何件も執筆をしていれば、やはりクレームは発生します。
「Aという文章をBに直してください」みたいなわかりやすい修正ならいいのですが、「あまりにもひどくてがっかりしました」「これじゃうちの良さが伝わりません」といったクレームも、半年に1件ほどは発生します。
たまに立て続けに発生して憤る…。
そんな案件は、一度ライターに戻して修正してもらうか、編集者が代わりに修正をします。
そもそも、一度文章に納得をいただけておらず、目が厳しくなっている状態。
多少の修正では満足してもらえない状態のため、試行錯誤しながらクライアントのニーズをくみ取る必要があります。
この修正の時間は、かなり気が張り詰める反面、「やってやろうじゃん!」みたいな闘志もみなぎります。
ライターと、クライアントやディレクター、営業、上司などとの板挟みになる
ライターとしては、明確な意図をもって書いた文章だとしても、それが他業務をやっている者やクライアントの意図とは異なってしまう場合があります。
例えば、ディレクターからは「もっと専門性をアピールしてほしい」と要望があるけれど、ライターとしては「読者層を想定して、わかりやすい言葉で書いた!」という意図がある場合ですね。
どちらかが明らかに間違っているなら話は簡単なのですが、こういう場合はどちらも間違っていないことがほとんど。
双方の要望を把握して、うまくまとめる能力が必要になります。
文章スキルだけでなく、教育スキル・折衝スキルも求められる
「ライターは1人で黙々と作業するもの」と思っていると、編集者になった時にちょっと困ります。
文章スキルは当然持ったうえで、ライターをまとめる能力・教育する能力、他部署やクライアントとやりとりをする能力も求められるからです。
私が編集者になった時は、誰かを教育した経験は全くなかったのでちょっと焦りました。
でも意外と慣れるもんです。
専門分野の執筆は、人材育成がマジで大変
私の働く会社で扱っているのは、専門知識が求められる案件です。
執筆をするためには、基本的な文章スキルだけでなく、専門分野だからこその文章スキルも必要。
執筆をする上でのルール等も色々決められています。
そのため、軽い気持ちでライターになろうと思った人はもちろん、長年のライター経験がある人でさえ、ギブアップしていきます。
だからこそ、長期的に執筆をしてもらい、且つ、良いライターに成長させるのはとても大変です。
編集者の良いところとは?
このように編集者には大変なところもたくさんありますが、もちろんメリットもあります。
ライティングスキルが上がる
何十人ものライターの原稿を見て、クライアントからの要望を全部把握して修正していたら、自然とライティングスキルは上がっていきます。
「どう修正すれば良い文章になるか」がわかるようになりますね。
「ライターとして一歩先に進みたい!」と思っている人は、編集業務をしてみることを強くおすすめします。
信頼できるライターと出会える
ライターを管理する立場だからこその特権ですね。
イレギュラーな案件にも対応してくれるライターさん、難しい案件も難なくこなしてくれるライターさんなど、いいライターさんとつながっておくと、編集者としての業務もスムーズに進みます。
信頼関係が築けると、ライターさんが、新たな良いライターさんを紹介してくれることもちらほらあります。
ライターより報酬が高い
業務内容が違うので、単純に「良いか悪いか」で分けられるものではないですが…。
数字だけを見れば、ライターより編集者の報酬は高く設定されています。
「編集業務をするようになったことで、通常の執筆案件の単価も上がった!」という例も少なくないはず。
クライアントニーズを把握できるようになる
個人的に編集者をしていて、一番ありがたいと感じているのはこれです。
正直以前は、修正依頼が来ても「元の文章も悪くはないでしょ!何をそんなに気にするところあります?」みたいに感じることが多くありました。
自分のことながら、厄介な奴ですね。
でも今は、曖昧な指示だとしても「きっとこういう文章を求めているんだろうなぁ」となんとなく把握できるようになってきました。
ライターとしての幅が広がった気がするのでとてもうれしいです。
実績になる
転職をする場合やフリーランスとして働く場合には、ライター業務だけでなく編集業務もしていた、というのはプラスポイントになります。
実際に私がライターを採用をする場合も、編集者経験がある人はない人よりも安心して採用できます。
私が考える「WEB編集者に向いている人」
編集者の大変なところと良いところを踏まえると、編集者に向いているのは以下のような人だと思います。
- コミュニケーション能力が高い人
- 空気を読める人
- 収入アップを狙いたい人
- いろんな人と関わって仕事をするのが得意な人
- ライター教育・文章の修正ができるくらいにはライティングスキルを持っている人
ちなみに私は、上記の点をすべて満たしているわけではないです!
あくまで私が考える「向いている人」であり、「編集者になるための条件」ではありません。
編集者を目指している人は、上記を参考にしつつ自分の強みを伸ばしていってもらえればと思います!
結論:ライターと編集者は別物だと思っておいたほうが良い
「ライターとしてスキルを伸ばしていった先にあるものが編集者」というのも間違いではなく、一つの道なのですが、求められるスキルはライターとは異なります。
そのため、ライターと編集者は別物だと思っておいたほうが良いというのが私の考えです。
ただ、編集者業務を経験することは、ライターとしてのスキルアップには必ずつながるはず!
WEB編集者になりたい人は
WEB系の制作を行っている会社に入り、スキルを身に着けていくのが一般的な流れです。
数は少ないですが、クラウドワークスなどでライティング業務を請け負っている中で「編集業務やりませんか」と声をかけられることもあるそう。
ただ、これはそう多くはないことですし、受け身(そもそもそのクライアントが編集者を必要としているか不明)なので、おすすめしません。
(ライターとしての実績作りにはクラウドソーシングはおすすめ)
小さな会社や、まだ若い会社などであれば、未経験でWEB編集者を見込み採用しているところもめずらしくないので、「編集者になりたい!」という意志が明確にあるのであれば、そういったところから実績を積んでいくのがおすすめです。