正社員でライター・編集者をしているサンです!
主な業務内容は、ライターの採用・教育・スケジュール管理・支払管理・編集・執筆などなど。
常時20名ほどいるライターチームの管理全般をしています。
私はこれまで、数十人のライター(や、ライター志望の方)の面接や書類選考を行いました。
その中には、期待していたけれどもすぐに辞めてしまった人、お試しとして雇ってみたらぐんぐん成長して主力ライターになってくれた人など、いろいろな人がいました。
その経験から、どのようなライターが採用、そして長期的な雇用に結びついているのかをまとめてみたいと思います。
まずは私が行っているライティング業務をざっくり説明
私は、いわゆるポータルサイトの記事作成業務を行っています。
文字単価は、案件や人によって多少異なりますが、3円~6円ほど。
企業案件ということもあり、高単価だと思います!
一つの案件の文字数は、だいたい5000文字くらいです。
ライターと業務委託契約を結ぶ場合、基本的には一度顔合わせ・面接を行っています。
実際に会うこともあれば、zoom等で軽くお話しすることも。
すでに働いてくれているライターからの紹介や、人材派遣系の会社から紹介をもらうことが多いです。
「業務委託」以外に、「派遣社員」や「アルバイト」などの雇用形態でも雇っています。
私が業務委託ライターとの面接で重視していること
面接では、30分ほどの時間をかけ、仕事内容のすり合わせやスキルや人柄の確認を行います。
具体的には
- 雰囲気・態度
- 過去に書いた記事
- 納期に対する意識
- WEBでのライティング経験
- メールやチャット等のレスポンスの速さ
などを確認しています。
では、それぞれ詳しく説明していきたいと思います。
雰囲気・態度
初めから抽象的で申し訳ないですが、個人的にかなり重要視しているのが、この「雰囲気」と「態度」です。
人柄と言い換えてもいいかもしれません。
採用活動にもコストはかかるため、できるだけ費用をかけずに長く働いてくれる良いライターさんを見つけたいと思っています。
ライティング実績や職務経歴書だけでなく、面接も行っているのは人柄も見たいからです。
そのため、
- 修正点を指摘したときに、素直に応えてくれそうか
- イレギュラーな対応にも応えられる柔軟性はありそうか
- 長くライター業務を続けてくれそうか
- チーム内でうまくやっていけそうか
などを、面接時の返答や表情などから判断しています。
基本的なことではありますが、
- 笑顔
- あいまいな返答をしない
- 髪型や服装に清潔感がある
などが、面接時の雰囲気や態度をよく見せるためのポイントになるかなと思います。
言葉を濁したりせず、できないことは「できない」「経験がない」などはっきり言ってもらったほうが信頼できます。
加えて、「だからこういう工夫をしてみます!」とか「今後は〇〇に挑戦したいから××をしています!」などと言ってもらえると、さらに好印象です!
過去に書いた記事
過去に書いた記事があれば、面接時や面接の前に必ずチェックさせてもらっています!
ただ、私の働いている会社では文章の細かい&小難しい部分までの確認はしていません。
「基本的な日本語はできているか」「文章はリズムよく読み進められるか」といったことくらいですね。
高尚な単語を使っているかどうかなどはあまり関係がなく、下記のような点をチェックしています。
- 同じ文末表現が続いていないか(「~します。~します。~します。」など)
- 誤字脱字がないか
- ファミコン言葉を使っていないか
- ムダに1文が長くないか
- 依頼したいプロジェクトの文章のトーンと合っているか
納期に対する意識
ライティングを依頼する側として、必ずチェックしているのが「納期に対する意識」です。
「少しくらいなら遅れても大丈夫」と思うかもしれませんが、その10分、20分の遅れが、後工程の遅れにつながり、ひいては会社としての大きな損失につながる、ということも少なくありません。
「期日を守る」というのは仕事を請け負う側の基本的なルールと考えているため、厳しめに確認しています。
納期意識に関してはこちらからも面接時に確認していますが、こちらから確認する前に「納期はよほどのことがない限り守るようにしています」などと伝えてもらえると、重要だとわかっていることが伝わるので印象がアップします。
WEBでのライティング経験
ライターの中にも、「紙媒体とWEBどちらも経験がある人」や「どちらかしか経験がない人」がいます。
私の仕事はWEB媒体なので、WEBライティングの経験があるかは必ず面接時にチェックするようにしています。
それは、紙媒体しか経験がない場合、紙媒体とWEB媒体の執筆・編集作業の違いに戸惑う場合が多いと経験上感じているからです。
例えば「スピード感」や「誤字脱字や不備をゼロにして納品すること」への意識差は、紙媒体とWEB媒体で、けっこう違う気がします。
それが良い悪いではなく、大事なのはプロジェクトに合っているかどうか!
メールやチャット等のレスポンスの速さ
レスポンスは早いライターさんがいいですね。
その場で答えが出せない場合も、「〇日までにはご連絡します」など、確認していることがわかる返信がほしいです。
働いている姿が見える社内の人間と違って、業務委託のライターは社外で業務をすることがほとんどです。
だからこそ、連絡が密に取れることは重要だと思います。
これは「面接時に聞く」というよりは、面接までのやりとりから判断していることが多いです。
レスが早いライターさんは、納期を守る意識も高い印象!
私が業務委託ライターとの面接で重視していないこと
下記のような点は、面接時にはほとんど気にしていません。
- ライター歴の長さ
- 出版歴など、過去の成果
- 資格
- 住んでいる場所
会社にもよると思うのですが、ライター歴の長さや取得資格、受賞歴などは気にしていません。
逆にいうと、ライターとして大事なのは「現在の実力」と、業務内容と「適応するか」だと言えると思います。
ライター歴の長さ
文章力はライター歴と比例するものではないと思っているため、ほとんど重視していません。。
ライターとして収入を得た経験がなくてもクライアントの意図をくみ取ったうまい文章が書ける人はたくさんいるし、何十年もライターとして働いてきた人にも、プロジェクトによって「合う・合わない」はあります。
ただ、全くの未経験だと文章力に関して判断材料がないので、文章力のちょっとしたテストをしたり、ポートフォリオなどは確認させてもらったりしています。
出版歴など、過去の成果
「過去に書いた記事」はどんな文章を書くのかを知るための参考にはしますが、出版歴や「〇〇賞をとった」などの実績はほとんど気にしません。
- 委託したいプロジェクトに合う文章が書けるか
- 今どんな文章を書いているか(書けるか)
が重要だからです。
あと、やはり紙媒体はたくさんの人が力を合わせて作り上げているものなんで、そのライター一人の文章力と「出版歴の有無」はあまり関係しない印象ですね。
資格
民間のライター資格はいくつかあると思いますが、これも面接時に確認することはありません。
資格取得欄にライター関係の資格を書いているライターさんや、資格取得をアピールしてくるライターさんも、ほとんど見たことがないですね。
ただ、「ライター関連の資格」ではなく、「執筆内容に関連する資格」は持っていると役に立つことがあると思います。
例)金融関係ならファイナンシャルプランニング技能士、医療系なら看護師免許や薬剤師免許など
住んでいる場所
これは、ライターという職種ならではの利点ですね!
パソコン一つあれば、基本的にはどこにいたって仕事ができます。
連絡が取れて、一定の質のものを納期通りに納品してもらえれば問題ないので、住んでいる場所は問いません。
あるとプラスになる面接時のチェックポイント
ライティングや編集スキルそのもの以外にも、アピールポイントになる経験やスキルはいくつかあります。
取材経験・撮影スキル
委託元の会社によりますが、持っているとプラスになるのが取材経験です。
これは、より「クライアントの目線」で、記事を書けると感じるからです。
ライターは、「ユーザー目線」と「自分目線(ライター目線)」は比較的簡単に取り入れられるんですが、その記事を依頼している「クライアントの目線」になるのは意外と難しいものだと思います。
だからこそ、複数の目線から記事を書けるライターは貴重だと感じます。
さらに、撮影とライティングがセットになって依頼されることも多いので、撮影スキルや一眼レフカメラを持っているとプラスになることも多いです。
該当分野への興味・関心
やはり、執筆分野への興味がないライターに比べて、興味を持っているライターの書く記事は、より深掘りができているし、わかりやすくておもしろいです。
それに、興味・関心があるからか長く続けてくれますね。
個人的には「どんな内容でもいいからライティングをしたい!」という人よりは、「この分野に興味があるからライティングしたい!ほかの分野だったらちょっと考えさせてください。」という人のほうが、信頼でき、雇用しやすいです。
まとめ
ということで、ライターの採用や教育をしている経験から「面接時に重要視していること」をまとめてみました!
ざっくりまとめると、
- 笑顔や清潔感などを意識し、いい雰囲気を与える
- 実績やポートフォリオを提示し、即戦力になれると感じてもらう
- 納期やレギュレーションなどを守る意識が高いことを伝える
- メールやチャットのレスは早めに行う
このあたりが、ライターの面接で受かるためには大切だと考えています。
雰囲気や納期意識、レスポンスの速さなどは、意識して対応することでクリアすることができるかなと思います。
ただ、中には
見せられるライティングの実績がない!
という方もいるのではないでしょうか。
実績がないけど「ライター面接に受かりたい!」という人は?
制作実績を作る
まずは、ブログやクラウドソーシング系のサービス(クラウドワークスなど)を利用して、少しでもいいので制作実績を作りましょう!
どんなに人がよさそうなライターでも、文章力がわからないと発注・雇用はむずかしいです。
制作実績の1記事の文字数は、1000文字以上はほしいですね。
(一度、写真が大半の300文字程度のブログを制作実績として見せてもらったことがあるけれど、それで判断するのは難しかった…)
急ぎで実績を作らなければならない場合は「面接のため」と割り切って、クラウドワークスなどで1000文字~2000文字程度の制作依頼を受けるのがおすすめです。
時間に余裕がある場合は、ブログを作って渾身の記事を2、3記事作りましょう!
そのほうが、
- 自由に文章を書けるため、面接を受ける会社のライティング案件のトーンに合わせられる
- 基本的なネット知識があることを印象付けられる
- 自分の実績として、自由に発表することができる
といったメリットがあります。
ブログは、無料ブログではなくwordpressがおすすめです。
wordpressの使用経験自体も、実績になります。
私は【ConoHa WING】で作ったのですが、15分くらいでベースは完成させることができました!
制作実績ができたら、ライター職に応募!
数記事だとしても制作実績ができたら、それをもとに営業をかけるもよし、SNS等で募集しているライター案件に応募するもよし、派遣会社やエージェントサービスを使って委託元となる会社を探すもよしです。
個人的には、未経験の場合は派遣会社やエージェントサービスを使うのがおすすめです。
ある程度のまとまった収入が保証されているし、雇う企業側としても間に派遣会社やエージェントが入ってくれていることで人柄の確認等ができ、何かあった時にも窓口になってくれるため、個人契約をするよりはハードルが下がるからです。
「もっといいライターいないかな~」と思っている企業は意外と多いので、ある程度の実績と信用できそうな人柄が伝われば、受注・雇用につながると思います。